これで特殊詐欺対策は万全です!(第1回成人講座を開催しました)

 6月24日(水)午後1時30分より、第1回成人講座として、防犯講話「ストップ!特殊詐欺」が公民館大会議室にて開催されました。参加者は、役員を含めて36名でした。

 今年度最初の成人講座のため、講話に先立って開講式が行われ、公民館長からの挨拶、成人学習部長からの事業計画の説明がありました。

 

 続いて、防犯講話に移りました。今回の講師は、一宮警察署生活安全課の井川警部補にお願いしました。


<目次・要約>

詳細はタイトルをタップしてください。

  1. 身近に忍び寄る特殊詐欺
  2. 一宮市内の特殊詐欺の発生状況
    令和7年の一宮市内の特殊詐欺は214件、被害額は約13億2,997万円で愛知県内ワースト1位。「自分はだまされない」という慢心が命取りに。
  3. 多発する特殊詐欺の手口
    1. 「オレオレ詐欺」
      最近はだまされる人が減り、「ニセ警察詐欺」に変わりつつある。
    2. 「ニセ警察詐欺」
      警察官をかたりLINEのビデオ通話に誘導、偽の警察手帳や逮捕状を見せて個人口座に全額振り込ませる。(警察がLINEで通話をすることは絶対にない)。
    3. 「自動音声オレオレ詐欺」
      未納料金があるという音声ガイダンスを大量発信し、応答者をだます。+から始まる国際電話番号が使われることが多い。
  4. 特殊詐欺の被害にあわないために
    犯人と話さない(電話に出ない)ことが最重要。固定電話は留守番電話に設定し、無償の「国際電話利用休止サービス」を申し込むことで約7割の被害を防げる。携帯電話では、迷惑電話防止アプリや特殊詐欺対策アプリ「サギバスターLite」の利用が有効。
  5. 最近増えている詐欺の手口「SNS型投資詐欺」
    広告やDMからLINEグループへ誘導し、サクラを使い「絶対に儲かる」と信じ込ませる。比較的若い層も被害に。
  6. おわりに
    特殊詐欺の手口はますます巧妙化する。「次は自分かも」という意識が大切。

身近に忍び寄る特殊詐欺

 新聞やテレビ等では、特殊詐欺による被害が頻繁に報道されています。その被害額の大きさには驚くばかりです。今年4月には、一宮市内の70代男性が投資詐欺にあい、約3億2,000万円をだまし取られたという事件が報道されていました。私たちの身近なところでも、特殊詐欺事件がおこっているのです。特殊詐欺にあえば、大事な財産を失ってしまいます。老後のための資金も、一瞬にして消えてしまいます。今回、連区内の住民すべてが特殊詐欺の被害にあわないようにとの願いから、この講話を企画しました。

 

 以下、講話の内容をまとめておきます。少し長くなりますが、大切な内容ですので、ぜひ最後までお読みください。

一宮市内の特殊詐欺の発生状況

 特殊詐欺の報道に接すると、「自分だったら絶対にだまされないのに」と思う人が多いことでしょう。ところが、令和6年に愛知県警が特殊詐欺の被害者に対して実施した「被害にあう前の意識調査」によれば、「自分は被害にあわない」58%、「考えたこともない」25%、「被害にあうかもしれない」17%という結果でした。「自分には関係ない」と思っていた人が8割以上もいたのです。そうした慢心が命取りになります。特殊詐欺は、決して遠い世界の話ではありません。

 

 令和7年中の愛知県内の特殊詐欺被害額は、約264億3,432万円にものぼります。被害1件あたりにすると、約754万円にもなります。犯人にとって、特殊詐欺は「ローリスク、ハイリターン」なのです。

 

 同様に、令和7年中の一宮市内の特殊詐欺の発生状況を見ると、件数は214件で、県内ワースト1位。被害額は約13億2,997万円でした。(なお、この数値は、以前にチラシやポスター、ホームページに記したものと異なります。今年から特殊詐欺の統計の基準が変わり、ここでは新しい方法によって算出された数値が示されました。)

 

多発する特殊詐欺の手口

「オレオレ詐欺」

次に、多発する特殊詐欺の手口として、「オレオレ詐欺」の説明がありました。「オレオレ詐欺」と聞くと、子どもや孫をかたって、お金をだまし取るという手口を思い浮かべます。しかし、最近はこの手口にひっかかる人が減ったため、新たに「ニセ警察詐欺」が横行するようになりました。一宮警察署管内で、昨年一番多かったのが「ニセ警察詐欺」で、被害の半分を占めたそうです。

「ニセ警察詐欺」

 「ニセ警察詐欺」は文字通り、犯人が警察官をかたってだますという手口です。

その一例をあげると、まず、「○○警察です(必ず遠方の警察署)。マネーロンダリング事件の捜査をしていたところ、あなたの口座が利用されていることが分かり、容疑者として浮上しました。このままでは、あなたも事件の共犯です。取り調べをする必要があります。今すぐ○○署に出頭してください」という電話が入ります。「そんな遠いところには行けない」と答えると、「では、リモートで取り調べをします」と言って、LINEのビデオ通話に誘導します。そこで、ニセの警察手帳を提示して、本物の警察官であることを信じ込ませます。そのうえで、「あなたにも逮捕状が出ています」と言って、ニセの逮捕状を見せます。そして、「あなたの口座のお金の流れを調べる必要があるため、一旦お金を全額、警察の口座に預けてください。捜査が終わったらすべてお返しします」と指示します。この時、相手が指定する口座は、警察署の口座ではなく、個人名の口座です。しかし、相手が本物の警察官と信じている被害者は、これを疑うことなく、お金を振り込んでしまうのです。口座にある全額を振り込むため、財産をすべて失ってしまうこともあります。

 

 そもそも警察は、LINEを使って、取り調べをしたり、逮捕状を発行したり、資金調査をしたりすることは絶対にありません。警察からのLINEは、すぐに詐欺を疑ってほしいとのことでした。

「自動音声オレオレ詐欺」

 もう1つ、「ニセ警察詐欺」についで多い「オレオレ詐欺」の手口が紹介されました。電話に出ると、「○○ファイナンス(たとえば、NTTファイナンス)より重要なお知らせです。現在ご利用中の電話回線にて未納料金が発生しているため、法的処置へ移行いたします。オペレーターへお繋ぎする場合は1を押してください」などという音声ガイダンスが流れます。犯人は、コンピュータを使って、これをランダムに、しかも大量に発信します。エサをまいて被害者が食いつくのを待つというやり方で、「ニセ警察詐欺」に比べて手間がかかりません。これにひっかかる人が多いのだそうです。ちなみに、発信側の電話番号を見ると、先頭に⁺(プラス)がつく場合が多く、これは国際電話を示すもので、詐欺かどうかを見分ける1つのポイントとなります。

特殊詐欺の被害にあわないために

 それでは、特殊詐欺の被害にあわないためにはどうしたらよいのでしょうか。一番重要なことは、犯人と話をしないこと、言いかえれば電話に出ないことです。令和6年中のデータによれば、特殊詐欺の電話がかかってくるのは、固定電話が7割、携帯電話が2割、その他が1割です。だから、まずは固定電話機について対策を講じる必要があります。前述のように、+(プラス)から始まる電話番号(たとえば、+1312345678)は国際電話からの発信であることを示していて、要注意です。「国際電話不取扱受付センター」が、国際電話番号からの発着信を無償で休止するというサービスを行っています。今回、その申込書が参加者全員に配布されました。これにより、約7割の被害は防げるそうです。また、固定電話は常に留守番電話設定にしておくべきだとも言われました。いきなり電話に出ると、相手の巧みな話術にだまされてしまう危険があります。

 

 携帯電話についても、見ず知らずの番号(+表示も含む)や非通知の着信には出ないことが大切です。各携帯電話会社が提供する「迷惑電話防止アプリ」を利用するのもよい方法です。また、警察庁推奨の特殊詐欺対策アプリ「サギバスターLite」をインストールする方法もあります。この講話では、このアプリのチラシも配布されました。それによると、このアプリは無料で、最新の詐欺手口を把握し、国際電話や詐欺電話をブロックする機能があるそうです。

最近増えている詐欺の手口「SNS型投資詐欺」

 最後に、最近増えている詐欺の手口として、「SNS型投資詐欺」が紹介されました。冒頭で言及した一宮市内の70代男性がひっかかったのが、この「SNS型投資詐欺」です。SNSの広告やメールなどで、「確実に利益が出る」「絶対に儲かる」「○○先生の無料投資教室」「あなただけに教えます」などと書かれていたら、注意する必要があります。投資に「絶対」「確実」はありません。

 

 もう少し具体的に「SNS型投資詐欺」の流れについて触れると、被害者は「絶対に儲かる」などという言葉に興味をそそられ、SNSの広告やメールをクリックします。犯人側とのやりとりを進めると、LINEのグループに招待されます。グループにいる多数のサクラが「儲かっている」などと投稿し、投資を促してきます。そして投資を重ねていくと、犯人は偽のアプリ等に偽の取引や利益を掲載し、その一部(少額)を被害者口座へ振り込むなどの工作もしてきます。やがて犯人との連絡が取れなくなったりして、やっとだまされたことに気づくのです。この「SNS型投資詐欺」の被害者は、「オレオレ詐欺」に比べて年齢層が若いのが特徴だそうです。もちろん、高齢者も被害にあいます。人間はいくつになっても欲があります。もっともっとお金を増やしたいと願います。そういう気持ちにつけこむのが「SNS型投資詐欺」です。

 

 「SNS型投資詐欺」の被害を防止するためのポイントとして、3つの点が強調されました。1つ目は、不用意にダイレクトメッセージに返信しないこと。2つ目は、SNSだけでやりとりしている相手を信用してはいけないこと。3つ目は「必ず儲かる」「投資に詳しい人を紹介」などと言われたら詐欺だと思うこと。もっとも、講師の井川警部補の経験によると、被害者は、だまされている最中には催眠術にかかったようになり、家族や警察からの忠告に一切耳を貸さないそうなので、なかなか厄介です。

おわりに

 以上、特殊詐欺について詳しく説明していただいた後、質疑応答の時間に移りました。「なぜ一宮市が毎年、特殊詐欺の発生件数ワースト1なのか」という質問に対しては、「正直言って分からない」という回答でした。「お金を持っている人が多いから」、「地理的に幹線道路が発達していてアプローチしやすいから」などという推測も述べられました。「犯人は被害者の資産を調べたうえで電話をかけてくるのか」という質問に対しては、「特殊詐欺の電話はランダムにかけてきているようなので、おそらく調べてはいない」という回答でした。「特殊詐欺の電話はだれに対してもかかってきているが、ただ、それに気づいていないだけ」ということも言われました。実際、井川警部補にもかかってきたことがあるそうです。

 

 1時間弱、密度の濃い講話を聴いた後、参加者は「国際電話利用休止申込書」を記入、提出し、また「サギバスターLite」というアプリを自分の携帯電話にインストールして、帰路につきました。これで本講座の参加者については、特殊詐欺の手口を理解し、警戒心を高め、かつ電話の対策も講じることができたので、特殊詐欺対策は万全になったと思います。

 

これから先も、特殊詐欺の手口はますます巧妙化していくことでしょう。大切な財産を失わないために、「次は自分かもしれない」という意識を常にもって、お互いに用心していきたいものです。

- Supporter-


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